時は西暦2300年。

一人の女性がパソコンに向かい仕事をしている。遅れた分の仕事を済ませようと残業していたのだが、それはとうに過ぎ次の仕事へと進めている。ふとキーボードを叩く手を止め外を見る。外は嵐で今日は家には帰れそうもない。残業を始めた辺りから振り出した。それは次第に強くなり風が吹き荒れ、遠くの方から雷鳴が聞こえる。しばらく外を見つめていると一人の男が入ってきた。

 

周防綾人だ。

「やあ、まだ残ってたんだ。」

「ええ、仕事が残っていたので。」

彼の質問にそう答えると彼はもう一度聞いてきた。

「どうして残ったの?」

彼女は話した。階段を上っている途中で人と接触して落ち、一日休んだのだ。

「そう、お大事にね。」

彼はそう言い、何かの資料を置いて出て行ってしまった。扉が閉まると彼女は胸に重く淋しさを感じた。彼を見ると胸の辺りが落ち着かなくなる。